−5/2 午前2時 繁華街の裏路地−
[労働による汗をシャワーで流し、彼女はそこにいる。
この時刻にここにいる彼女にしては珍しく、普段着の猫耳つきパーカーにやや大きめのカバンを持った出で立ちだった。
普段これくらいの時刻、この場所にいる彼女は、素肌に毛布、鈴付きの首輪のみという服装でいることが多い(>>57)。
安全に着替えられる場所へ行き、仕事の準備をすべきかどうか。彼女は今、悩んでいるのだった。
仕事道具は、全て、カバンの中には有る。安全に着替えられる場所もいくつか把握している。
しかし進んで仕事をする気には、あまりなれなかった。人の暖かさに触れた日は、自分のやっていることが途方も無い禁忌に思えてしまう……いつものことだった。
そして、そういう時こそ、仕事をしなければならないことを、彼女は解ってもいる。
彼女の「仕事」は、同時にリリー・カートライトからクシャミへ戻るための、「儀式」でも有るのだ。
だから本当は、すぐにでも着替えて仕事を始めたいのだけれど。自分の中の何かが、それを拒んでいる。]
…………………。
[ただ沈黙し、いたずらに時を浪費している……]
(222) 2013/07/20(Sat) 18時頃