─ 回想:文化祭準備 ─
いや、それは分かるけど。
[その布の意味じゃなくて、量の話な。
こてりと首を傾げる姿になんだか脱力感を覚えて、そこまでは言わなかった。>>206
続く言葉に、耳を傾ける。
あげられたのは、とあるファミレスの名前。
コルセットスカートと言われても、なんのことだか。けれど、そのファミレスの制服ならば分かる。
ああ、なるほど。洋風で、可愛い系ね。そんなざっくばらんな理解。
ついでに、さらりと混ざりこんだ「こひめに任せてくれた人たち」という言葉に、布の量の訳も薄らと理解した。
ね、と甘い笑顔で同意を求められてしまう。
素なのか、分かってやっているのかさえ掴めなくて、浮かんだのは曖昧な笑み。
それでもまあ、本来自分たちの仕事であるものを、思うところあれど人に押し付けたということは事実だ。
そこは確かに、"どうなっても構わない"ところだろう。
男子の衣装については、思いきり「余った布」と言われてしまったけれど、それに関しては大して異論はなかった。>>207]
(222) 2015/10/29(Thu) 23時半頃