壱岐君、古川君も、おはよう。
そう言われてみれば、香ばしい香りがするような。
焼肉中だったの?それはむしろこっちが悪かったかも。
[少し遅れてきた壱岐君たちと、少し時間にそぐわない挨拶を交わす。もちろん、角館君も一緒だったなら、彼にも。
スマートフォンはメールを送信してから、さっきみたいに大音量で電子音が鳴らないように、マナーモードにしておいた。
すぐに気づけるように手に持ったままで]
赤い絵の具の染み?
[古川君の話に首を傾げる]
昨日は赤しか塗らなかったの?
私は絵のことはよくわからないんだけど、仮にほかの色も使ったとして、赤だけ色移りするなんてことがあるものなのかな?
[古川君に質問しながら、背筋を少し冷たいものが通り抜けるのを感じた。
古川君は花が咲いているみたいだった、と形容したけれど。
白い布に赤い花のように咲いた絵の具。想像したら、まるで血痕みたいだ……なんて思ってしまった。
そんなこと、絶対言えないけど]
(220) 2016/04/16(Sat) 01時半頃