[ふと、保健室の時計の針を見る。
針は、昼食の時間を過ぎたぐらいの時刻を指していただろうか。
始業のチャイムがなってから、それなりに時間が経っていたのだと、そこで漸く知る。
もう一度保健室を見回した。
棚の他に、ベッドが1つ、2つ。大きめのソファが1つ。]
……もし、夜になっても帰れなかったら。
みんなで、合宿みたいに寝泊りしても、たのしそーだよね。
[文化祭の装飾に彩られた校舎でのお泊まり会。
それを想像すると、少しだけわくわくが跳ね上がる。
それに、時間は正常に歩みを進めている。
ここが夢なのはそうでないのかは定かではないけれど、11人もの子どもたちが家に帰らないということになれば、秋野の家はともかくとして、どこかの家が気付いて探すんじゃないか、なんて思う。
だから、夢が覚めるまでは、楽しんだって許される。
そう思うと楽しくなって、秋野の声は弾んだ*]
(219) 2015/06/21(Sun) 10時半頃