[部屋の中で明滅する光と闇。がたん、となにか勢い飛び出したような音、そして、]
「フィニート!(呪文よ、終われ!)」
(あの声は…!)
ラヴァ!!
[聞きなれた声を認め、迷わずバァンと扉を勢いよく開ける。
店内は薄暗い。が、ルーモスの灯りに似たものが、闇の中にぼんやりと浮かんでいる。ふらついているラヴァの姿が目に飛び込み、ああ、ラヴァ、と一瞬駆け寄りかけたが、彼女の杖が向けられた方向へ自然と目線が移った。]
(男の…子…?)
[なにか…なにか様子がおかしい。
この学校の生徒だ。薄暗くて見えづらいが、見た目はどうやらレイブンクロー生のようだ。目が血走っている。なのに体はふらふらと危なげな調子。まるで、何かに操られているような――
メアリーが戸惑っていると、男の子の「先輩、見えないのに凄いんですねえ…」というねちっこい言葉に全身の細胞が泡立つ。]
(この子は…この子は敵!)
「――コンフリ…(爆発せ…)」
(218) 2014/09/02(Tue) 23時頃