──っ、[ 酷く、動揺した。かち合った瞳の見つめる視線を、離す事は出来ない。ただ恐れるように、一歩後ずさる。死ねるの?と聞かれて……死ねる、と思った。零に、言われただけで、こんなにも衝動的に。こんなにも死にたくなるなんて、知らなかった。分からなかった。“ただの友達”に言われて此れなら、──もし本当に弟に言われたのなら。俺は、……きっと。いや、でも言われていない筈だ。そんな記憶は無い。けれど、此処は精神世界。鏡を消し去れるように、自分の辛い記憶も消し去れるなら?死んでいない、自信はあった。その自信が、今、揺らいだ。 ]
(217) 2016/09/17(Sat) 23時半頃