198 冷たい校舎村4


【人】 複眼レフ パラチーノ

 ──っ、

[ 酷く、動揺した。
かち合った瞳の見つめる視線を、離す事は出来ない。
ただ恐れるように、一歩後ずさる。

死ねるの?と聞かれて……死ねる、と思った。
零に、言われただけで、こんなにも衝動的に。
こんなにも死にたくなるなんて、知らなかった。分からなかった。

“ただの友達”に言われて此れなら、──もし本当に弟に言われたのなら。
俺は、……きっと。
いや、でも言われていない筈だ。そんな記憶は無い。
けれど、此処は精神世界。
鏡を消し去れるように、自分の辛い記憶も消し去れるなら?

死んでいない、自信はあった。
その自信が、今、揺らいだ。 ]

(217) 2016/09/17(Sat) 23時半頃

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