[>>208陸の言葉は気休めでしかなかったかもしれない。それでも、その言葉に確かに…はふっと小さく安堵の笑いを零すことができた。]
……そうだね。
もしかしたらこれは全部誰かの夢で、みんな夢から覚めていくのかもしれない。
それともこれが現実で、皆は夢を見に行っているのかな?
そもそも俺らの存在自体、誰かの夢なのかも。
その人が夢を見るのに飽きてきたから、皆いなくなったのかな。
[胡蝶の夢のように。
ぽつりぽつりと、ぼーっと虚空を見つめながらぼやいてみる。
この世界が現実なら、自分の命が残りわずかと言うことも夢になるのではないだろうか。
そんな淡い夢に少しばかりの思いを馳せながら、…はすぐにいつもの笑みに戻った。]
なーんてね。
あ、図書室着いたね。
[誤魔化すようにととっと駆け出し、図書室の扉を開く。
智明との喧嘩で、…はすっかり結城のマネキンの話を忘れていたのだ。
図書室の扉を開けてしまえば、きっとそれは目に入ってしまうだろう]
(215) 2014/04/13(Sun) 23時半頃