―― 三年時後期・回想 ――
……チッ、
[ 寮監に小言と共に減点を喰らえば、そのまま解放された後――、短い舌打ちを零してその場を離れる。減点を食らうのなんてしょっちゅうであり、そんな些細な事は大して気にも止めなかった。
他の奴等は寮の優勝だなんだ、なんと言いはするが俺には全く興味の及ぶ所では無かった。寧ろ、そんな事で一喜一憂する気にも大してなれる訳でも無く――、だからこそ入学当時からと変わらず多少マシになったとは言え周囲から浮いていたのだが。 ]
‟ ……――見てたのかよ ”
[ 気分が晴れる訳なんてなく、そそくさとその場から去ろうとした時、頭に響く声>>137に気が立ったまま、落ち着かない声を返す。直接話さずにこんな事をしてくる宛なんて、一人しかいない。入学式以来、偶に話す事もある白い姿を、散り始めた人混みの中に視線を彷徨わせて探す。 ]
(213) 2014/08/31(Sun) 14時半頃