―廊下>>204―
[おかしい、と訴える声を抑えるつもりは毛頭ない。
覗き見ている存在はそれをどう捉えるのか。
けれどこんなに色づいた声なのだから、たっぷり聞かせてあげるのがサービスというものだろう。
包帯はただの布紐へと変わり、その肌の味を感じ取る。様変わりした反応に、少しの味見で絶大な効果だと笑みは深まる。
こんな急所を簡単に逃してなるものか。]
はむ……っ、れる、れるるっ……ん、ちゅっ、
[唇と舌が、茨を全て舐めとろうと這い回る。
ケヴィンの魔力が残る舌はフェロモンを塗り込むように執拗に追い立て、何度も啄むようにキスをする。
縮こまろうとする姿は戦場の姿とはかけ離れた、か弱い、とも見えるもの。そういうところがそそるんですよ、と内心で魔が笑った。
腰を支える腕への圧が大きくなり始めたら、逆らわずに腕を引き抜き、ずるずるとへたり込む体を追いかける。
座り込んだ体を少し横へと押してやれば、その背の向かう先は床になるだろうか。]
(212) 2018/02/22(Thu) 21時頃