[帆北の件が終わり、一度伸びをする。両手を伸ばし、左右に揺れようとして、脇腹が攣りそうだったのでやめた。ここで崩れ落ちたくない。
最後に肩を大きく回し、教室の一角へと向かった。その先は装飾班。進行が心配されている、一番の原因だ。
『もっと簡単な装飾にすればよかったのに』『今からでも遅くないんじゃない?』
先ほどの報告会でかけられた言葉が蘇る。
心配は受け取って、けれど不満は残った。好き勝手言ってくれる。誰が言ってくれたかを知らないから、平気でこんなことが言えるんだ。
脳裏に蘇るのは、出し物を決める会議>>201>>202でのこと。
どうにも引っ込み思案で、溜め込んでないかと密かに心配していた彼女が声を上げた。
そのことにどれ程驚いて、そして嬉しかったか。
少々テンションが上がりすぎて、反対意見を聞き入れつつも丸め込んで、万里の意見を基本的に採用してしまったのは、大人気なかったと反省している。後悔はこれっぽっちもない。
『準備、頑張るね』と言ってくれた万里が見れただけで、満足だった。]
(212) 2015/06/18(Thu) 22時頃