[膝を抱えたまま視線を地面に向けていれば、頭にぽん、という感触。>>207
正義感の強そうな彼には軽蔑されるのでは無いかと思ったが、それどころか励ましてくれるらしい。
頭を撫でられるなんて体験は、今まで生きてきた中でもほとんど無い。小さな使い魔が偶にしてきたが、この優しい手つきとは程遠いものだった。
更にはなんとも男前な励ましの言葉。
胸がぐっと、わし掴まれた感覚に陥る。]
………っ…、
[何故だか、心が締め付けられるように痛かった。
けれど、同時に嬉しいという気持ちも湧く。
――こんな複雑な感情は、しらない。
アルヤスは太陽みたいだ。
明るくて、眩しくて。焦がれるけれど、手の届かない存在。
流れ始めた音は、とても澄んでいて。
相変わらず俯いたまま、音をしっかりと記憶に刻むように
目を閉じた。]
(211) 2014/12/29(Mon) 18時半頃