[美味しいシチューを味わいながら、思うことは。
この世界の主は、どうして食堂をこんなふうにしたのかな、ということ。
あたしにはそれが理解できなかったから、ここはあたしの世界じゃないなって思えた。
そして、あたしがホストなら。涼介くんは絶対に招かない。
……できることなら、彼に迷惑をかけることなく、閉じ籠りたかった。
>>203食べてる最中、志乃からかけられる言葉には、虚ろに微笑む。]
……そーだねえ。
死んだら、あたたかさも感じられなくなるのかなあ。
[能天気にそんなことを呟いた。
死んだほうがマシだったって、そう思ったりもするんだけど、でも、やっぱり――あの雪の日を思い出してしまえば、そんな度胸はきっとない。
死ぬのが怖いから、今もなおぬくもりを求め続ける。
悩んで、苦しんで、いつかは死を選んでしまうことはあるかもしれないけど。
あたしは、耐えられるのかな。
――耐えられなかった人も、いるのかな。]
(211) 2015/07/09(Thu) 13時頃