[誕生日の日、花を渡したエリがお礼を言って笑う前、
僅かに落ち込んだように見えた>>105のは
おそらく気のせいではなかったと私が知ったのは、
その後、花畑の近くで何かの墓標と思しきベッドを見つけた時のこと。
今はそれももう、大地へと還り、見た目には他の地面と同化していたが、それでも時折花が添えられていることを私は知っている。
頻度の減ったそれが、完全に途絶えるのが
これからの一年のうち、
いつになるのかということを、私は知らない。
尤も、それは未だ誰も知りえない話だ。
身長は去年と変わらないままの小さなエリは、
この一年間で泣き虫を卒業したかは、さて、どうだろう。
泣いている姿を見かけることがあったなら、
私はその涙を止めたいと左手を伸ばしたけれど
完全にその泣き虫を卒業してしまうことは、
少し寂しくも思えたりする。]
(211) 2016/10/10(Mon) 14時頃