[ミロが「レグルス」に参加しはじめたのは、大学を卒業して少し経った10年前。インターネットが身近になり、孤独に楽しんでいた天体観測の趣味を誰かと共有する楽しみを知った。――あれから何度か、こうした合宿に顔を出してきたが、学生たちに混じって酒を飲んだこともラーメン屋を訪れたこともない。
思えば随分と大人になったものだ――と思ったところで、不意に前席から聞こえたヴェラ・アルムの呟き(>>199)に、たまらず頷いた。若さは、眩しい。同年代がゆえの悲しき共感は、傍らのサミュエルやススムに目を向けながら抱いた。]
いいですね――年を重ねると、怖がりになる。
年のせいにする時点で、どうしようもない。
人肌より、紅茶の熱さが恋しいのも。
……夜は、何か熱い飲み物でも淹れましょうか。
[独りごちるように口を挟み、バス前方を見る。
それぞれに過ごす12人と1人を見る。]
(209) 2015/11/11(Wed) 21時頃