[非常に美味しくない話を喉の奥に隠しながら会話する自分は、思いっきり苦い珈琲でも飲んだ後のような顔をしていただろう]
あ゛ーーー、そう。一応こんなんでも神父だぞ?
パードレ ホレーショ。よろしくな。
てっきり服でわかるかと思っていた。
[信仰と空気が同じレベルで存在する自分には、彼が神父服を知らないとは思いもよらなかった。
見たことが無いのなら面白かろうとぴらりぴらり、とスータンの裾を持ち上げながら]
地元はねぇ、ローマから4時間もかかる片田舎。
ワイン業の街で、孤児院みたいな事をやってるよ。
でも今は、エラーイ人のお達しでココで宣教の修行中。
…君は?学生?
[故郷の話なんて帰りたくなるばっかりじゃねえか…と腹の中で不満を漏らして、全力で話題を変える。
妙に綺麗な手をしているなぁなんて思いながらも、自分には彼が纏う空気はまだ若く感じられていた]
(208) 2014/12/05(Fri) 22時頃