――3年教室――
[寮母に鍵をもらい一人校舎に向かう。連絡通路の扉の鍵を開けて移動すると後の部屋は戸締り等特別されてるわけではない。
何か特別に見たかったわけでもないけれどぶらぶらと、消えてしまうこの学園の見納めに一度各教室もう一度見ておきたかった。
自分のいた教室に辿り着くと窓際の席に腰かけてぼんやりと黒板見ながら昔の光景に耽る。
先生もクラスメートも変わってしまってる教室は哀愁漂う空間だけれど。耳を澄ませば当時の賑やかな声、仁子の笑い声や委員長の怒って注意している風景が頭の中に回想されていく。]
あの頃はここが無くなるなんて考えたこともなかったな・・・。
みんな今何してるんだろうか。
[カーテンをあけて外の風景を見る。唯一変わらないように見えたのはそこから見える校庭だけだろうか。肘を机に置いて頬を乗せる。
静寂な空間が眠気をいつしか誘いそのまま昼の眠りへと堕ちた。*]
(207) 2017/01/30(Mon) 21時頃