……あなた、本当に。 私が買わないと大変なの、かしら?[愛らしい王子様に問いかける。返答がどうであれ、きっとその望みを叶えたくなってしまう。愛されるための存在というのは、ずるい。そんな子供じみた感情さえ浮かんでしまう。そもそも売り物にならないかもしれない、なんて言われたら気になるし、別に値段が気になるわけでもないし、芙蓉も何かが必要みたいだし、家は一人だと確かに広いし、そういえば独り言も増えた気がする。犬みたいに散歩が必要なわけでもなさそうだし、猫相手に話しかけるよりは健全かもしれない。つらつらと脳裏に浮かぶのは、理由の羅列。大人の女には時に羞恥を誤魔化す言い訳が必要なのだ]
(207) 2017/10/06(Fri) 16時半頃