[たまに注がれては外れる視線は、彼の葛藤を明らかに表していて。それをわかっているからこそ、下手に動くことは出来なかった。]
ふふっ、お上手ですのね。
わたくしも、これくらい手際よく作業ができたらいいんですのに…
[スマートに手順をこなしつつ、冗談を言う余裕を見せる>>203のはさすが首席といったところか。無駄のない調合に魅入りながら、ぽつぽつ目に留まる小さなミスやお世辞にくすくすと笑い声を落として]
そういえば、効果を伺っていませんでしたわね。
一体どんな…あら。
[鍋を火にかけてしまえば、あとは時間が経つのを待つばかり、ということらしい。薬のことを尋ねようとしたグロリアの目に、床に落ちたナイフが映る。
一旦は拾い上げた手から、それは不意に滑り落ちて]
痛っ…
[白磁の肌に紅色の線が一筋走り、溢れた雫は石造りの床を濡らす。反射的にもう一方の手で傷を覆い、彼の目から血を隠そうとしたが、そんな行為に意味はなかったのかもしれない。]
(206) 2014/09/02(Tue) 22時頃