― 薔薇園を望むテラス ―
[ すんと鼻を鳴らし青年の頭の匂いを嗅いだ。
広がる濃厚な魔力の香りは、城外から時折漂う死臭すらかき消してしまう。やはり、鎧は邪魔ですねと再度実感を抱いた。
あてられているのやもしれない。
それでもまず思うのは、鎧が当たり痛みを生み出し、眠りを妨げていないかという不安。横目で見るが男には、眠っているようにしか見えず、なんとなく唇は笑みを乗せた。]
…失礼します。
[城を歩くこびと達の一人を捕まえてミルクを頼めばよかったですねと気づくよりも前に。テラスに魔物の気配を感じてそちらに向かった先。>>200
男より、見えたのは美しいとしか言い表せない姿の美女と三つのカップ。強大な気配をひしひしと感じる中、微弱な気配も確かにあるが、一人にしか見えず声をかけた。]
…もうしわけありませんが、ミルクをお持ちではないですか?
[物怖じしないと言えば聞こえよく、鈍感な男は抱えた青年を抱きしめ直し、姿勢を正ば、不躾に失礼しますと。
いざとなれば、彼を囮にして逃げましょう。
彼一人ならどうとでもなるでしょうし**]
(205) 2015/07/31(Fri) 13時半頃