―ノスフェラトゥの館・庭園―
[すとん、と華麗に降り立った彼女の身軽さは、まるで猫のそれを思わせたとか。]
あれ、ニュイ?
[当然ついてくると思っていた愛猫の姿がないことに気づく。上を見ると、開けっ放した窓から高価そうなカーテンが揺らいだ。どうやらすでにお出かけのようだ、と苦笑しながら肩をすくめる。まあよくあることだ。だって彼女は自由気ままな猫なんだもの。]
[庭に目を戻すと、少し離れたところで人の話し声がした気がして。植木の陰からちらっと除くと、]
あれ、さっきのおにーさんじゃないですか
[ってことは、この人たち=使用人=サボり?
そこまで思考を回らせると、まるで秘密基地を見つけた子供のようににぃっと口角を上げてみた。]
こんなとこでひっそりパーティー?
アタシも混ぜてもらえたりしないっかなー
[前言撤回。彼女は比喩なしに身も心も十分に子供じみていた。]
(205) 2014/11/02(Sun) 13時半頃