『あら、可愛い子じゃない。
この子の目の玉の色も見てみたいわね。
きっと繰り抜きたくなるくらいに綺麗なんじゃないかしら?』
[友人の言葉はそこはかとなく物騒だ。
そういえば人形のお店をたまに見に行くが、どうにも波長が合わなくて購入出来たことがない、と嘆いていた。多分そういうところなんじゃないかしら?と思うが、本人も自覚はあると思うので放っておく]
『そうそうプランツって目が覚めたらもう、
買って貰わないと売り物にならないんじゃなかったっけ?』
はい?
『楽しみだわ、丁度、お客から“天国の涙”依頼されてるのよ』
なにそれ?
[友人の後押しは、言い訳を与えてくれるようだ。女は一度だって他のプランツに目をくれていない。きっと心も動いてる、けれどあと一押し、例えていうならがけから飛び降りる切欠が足りない、その程度で。]
(205) 2017/10/06(Fri) 16時半頃