― 朝:中庭 ―
[神に祈ることは好きだ。
その時だけは自分が許されたように思えるから。
自己満足の為に祈っているなんて知れたら、きっと神はお怒りになるだろう。
それとも、それすらも許してくださるのだろうか。]
……え、あ。
[不意に。頭上に声が降って来て、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
それは神の声ではなく、クラスメイトのミナカタ>>202のものだ。
留学してきた彼は、異国の地でも立派に過ごしていると思う。
自分との差を感じて、更には問いへの気まずさを感じて、震える瞼を伏せた。]
俺なんかが礼拝堂にいくなんて、烏滸がましい、から。
[汚らわしい、と言われた数をもう覚えていない。
自分を救ってくれた神にそんな姿は見せたくなかった。
無遅刻無欠席の自分が唯一訪れないミサはどんなものなのだろう。
膝をついたままの姿は、まるで懺悔にも似ていた。]
(204) 2014/06/19(Thu) 17時半頃