―回想・文化祭準備のとある日―
[また、しっぱい。
ボロボロになって千切れてしまった色とりどりの折り紙に、情けなさで泣いてしまいそうだった。
実際、ここまで凝った装飾にしなければ、きっともっと早く終わっただろう。でも、こうすればもっときれいになると思ったのだ。
でも、やっぱり前の装飾にすればよかった。それだったらきっと、みんなに迷惑はかけなかった。寺田くんにも申し訳ない。せっかく、自分を支援してくれたのに。]
「センス悪くないのは分かんだけどさ、これ、終わんの?」
「学祭明けに、模試あんじゃん。俺、そっちの勉強したいっつーか……」
[クラスメイトの、そんな言葉が聞こえてきた時、…の心臓が音を立てて縮み上がった。
わたしが、めいわくをかけてる。
その事実がとてつもなく申し訳なくて、とうとう視界がにじみ始めた。]
……ないちゃ、だめ。
これ以上、みんなに迷惑かけちゃ、だめ……。
(203) 2015/06/18(Thu) 20時半頃