[魔術師になろう、と思ったのは、私のルーツ探しの一部。
ゼロから始めた特訓のはずが、上達はすんなりと上手く行き、デビューに漕ぎ着けるまでに至る。
舞台上での技術を教わるため、華月斎さんに師事したことがあった。>>0:@32
その教え、自分を魅せるための技術は、確実に糧になっている。
もちろん、楽しんで魔術の腕を磨き続けている。
——しかし。
魅せるための“自分”が、未だ穴が空いたように抜け落ちているのが悩みであり。
メアリー・サカエおよび酒衛 鳴李は、仮初めに取り繕った偶像を見せ続けている。
都会人らしい敬語に、若い子に受けそうな衣装、その全てが。
ああ、そうそう。
“美少女”であることも、大事な拘り。
眉目麗しい19歳の女の子というだけで、それは話題を呼び、客を呼ぶ。
少しでも多くの金を生むためには、使える武器は使うもの。]
(202) 2017/06/11(Sun) 23時頃