― 廊下 ―
[「しばらくすれば」「治ります」と答えた彼女>>198に、「本当に?」なんて、まるで子供に対してのような心配が口をつき掛けたところで、逆に彼女の方から「大丈夫」を返された。
そこで漸く、私は今の自分の姿を自覚した。]
あ、…… 私こそ、大丈夫……でも、ないよね。
[居た堪れなさから視線を斜め下に逸らしてしまいながら、けれど素直に認めることにした。]
先生――木屋先生のこと、思い出しちゃって。
ちょっと悲しくなってたんだ。
ごめんね、心配させちゃって。
[苦笑い一つ浮かべてみせた後、はたと気づいて]
そういえば、あなたとちゃんと会うの、初めてだっけ?
私は琳田真輝。 **年の卒業生だよ。
あなたの先輩に当たるかな。
[それは相手の見た目ではなく葬儀の記憶からの推論だったのだけれど、そんな説明は省いたまま、私は彼女を「後輩」として扱っていた*]
(201) 2017/01/30(Mon) 20時半頃