―回想・文化祭会議―
[装飾をやる、と決めたとき。頭の中に浮かんだダークメルヘンなおばけやしきの姿。
寂れた洋館のような佇まい。受付の子はみんな、クラシカルなメイドや執事の恰好で。こうもりのモビールや、和紙で作ったおばけのランタン。タコ糸で作った蜘蛛の巣には、ボンドできらきら光る雫をつけよう。
きっと一手間加えれば、いつもの教室が驚くほど不気味な雰囲気になる。
だからこそ…は、クラスの会議で勇気を出してその案を提案してみた。
しかし、受験生である為に文化祭を疎ましく思う人ももちろん居て、その人たちからはとても不評だった。そんな凝った装飾、勉強時間削げないのに終わるはずないじゃんね。そういわれて、恥ずかしさで真っ赤になって縮こまった。]
ご、ごめんなさい、そんなつもりなくて、あの、私、なるべく一人で頑張るから……。
(201) 2015/06/18(Thu) 20時半頃