─ 廊下 ─
[声を掛けた娘の表情の変化>>@136にはまったく頓着せず、手当のためならと応接室を示されれば素直にそちらに向かう。
彼女が部屋に入る間際に裏口の方を見たのには気づいたが、まさかその心配の原因が自分のバイクだとも、どこかでポプラの精が文句を言っていることも、想像の彼方だった。
通された応接室も他の部屋と同様、華美に過ぎない瀟洒な調度で整えられている。だが男にとってはこれもさして興味のないところ。]
おう。
ゆっくりさせて───
[待てと言われ>>@160、そのつもりで言った言葉が途中でどこかへ飛んだ。なんの変哲もない使用人の娘と思っていた相手が目の前から消えたのだ。
ぽかん、と空いた口がようやく閉まり、苦笑に変わったころに救急箱を手にした彼女が戻ってくる。]
なんだよ。やっぱり人外の魔窟か。
[彼女が現れる前後に呟いた言葉は、聞かれていただろうか。
もっとも、さほど悪意がある声音でもない。
驚いた、と面白い、が半々程度というところ。]
(201) 2014/11/02(Sun) 12時半頃