─ 回想:クラス委員長会議・咲野と ─
[一息に告げた言葉>>53が、すんなりと場に組み込まれてゆくのを眺めていた。
その途中、だっただろうか。告げられる礼に、思わず咲野の顔を見やる。>>89
ああ、さっきの行為は咲野にとっては是とされるものらしい。
その真っ直ぐさは、少しだけ痛い。
本当に、あの女子を庇いたかったわけじゃあないのだ。
痛々しい程に生真面目な女子を相手に、揉めるのも泣かれるのも避けたかった。
お化け屋敷を言い出した生徒たち、この流れを知ったらどう思うだろうな。
まあ、事情はどうあれ、なかったことにされたわけだから。
形だけでも、お化け屋敷の案も口にしておいて「でも喫茶店でいいよ」なんて妥協の姿勢を見せることも、出来たとは思う。
だけど、億劫だった。
庇った、庇われた。そういう図式が、あの女子から見て成り立ってしまうことに、抵抗感を覚える。
そういう、──まあ、言ってみれば、自分のエゴなんだけど。
どうだろうね、これって委員長権限の範囲内?]
(200) 2015/10/29(Thu) 22時半頃