[そうして、私は、彼の語り始めた話>>149を、黙って聞いていた。
正直に言おう。滑稽無糖だと思った。最初はね。
小説でも、或いは伝聞でも、そんな話を聞いたことがなかったものだから、
冗談や創作だとしたら、彼も中々脚本家の才能がありそうだ。
尤も、それを語る表情は至って真剣だったものだから、茶化すことはしなかったけれど。
それらの話に、息を吐いて、そこで私はようやっと口を開いた。
書類の守秘義務とか、そういった野暮な疑問は胸の中に閉まっておこう。今のところは。]
じゃあ、仮に。
本当に、それが現実の話だったとして。
どうやったら現実に戻れるの。
事件の書類になってるなら、皆、出られたってことじゃないの。
[前例があるのなら、解法だって存在するはずだ。
だから、私はそれを問う。知らないと切り捨てられれば、それまでの話だけれど。]
(199) 2016/09/15(Thu) 22時半頃