[そうしながらこの気持ちを昇華していけばいい。そう思って数ヶ月、現状、気持ちはまだ強く根付いていた。
それぞれがそれぞれの意思思考のままに脚を進める。男もその中の一人。歩き出せば、後ろを続く足音>>189が聞こえた。
『後輩』という言葉、彼を表す言葉は他にもあったはずなのに。
例えば、大切な人だとか。
例えば、独占したいだとか。
例えば――――――――。
彼からの反応を考えなければ、期待しなければ。それらを口にすることはできただろうか。
もしくは、もっと男が彼に好かれていたのなら、冗談だと偽ったとしても言葉にすることができただろうか。]
んぁ?
なにか、言ったか?
[背中に投げられた言葉。その意味を理解できずに、しかし拒絶ともとれるその言葉の意味を聞くのも憚られてしまったから。つい聞かないふり。気持ちの昇華にはきっとまだまだ時間がかかるだろう。]
(199) 2015/11/13(Fri) 02時頃