65 Le Manoir de la Depravation ―淪落の館―


【人】 漂白工 ピッパ

 ────────……。

[服を着替えてソファに座り直す。
一旦落ち着いてしまうと、今度は話すことが見つからず、言葉に詰まった。

さっき食堂で見たことに触れるのが憚られる。

それから───、もうひとつ気がかりなことがあった。

食堂からここへ戻って来る間に、胸の辺りが、妙に張って来るような感覚を覚えていた。
生理前にも似ているけれど、生理は一週間前に終わったばかりなので関係ないはずで──第一、それよりももっとハッキリと固くなっているのを感じる。

それが、ホリーの『特製シチュー』のせいだとは知らず、困惑気味に視線を彷徨わせ、胸を庇うように片手で反対の二の腕を掴む姿は、ホリーの目にはどのように映っているのだろうか。**]

(198) 2012/12/05(Wed) 13時半頃

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