―エレベーター内―
[幸いなことに、エレベーターの電気系統は生きていたようだ。
じれる心のまま到着を待ち、開くと同時に飛び乗っていく。
閉ざされた扉が開く瞬間、微かな緊張はあったものの……不思議と恐れは感じなかった。
ともあれ、田原はきっと正確にセシル達を追ってくれる。
しばらく隣席で共に励んだ仲だ。彼の見せた表情>>186が初めて見た類のものであれ、男には揺るぐことのない決意のようなものを感じることができたのだから。
仮にそれが、誤った認識であったとしても]
田原先生は、フォローさんとテツさんを追っていけます。
ですが、俺は……こんなやり方でしか確認できない。
[エレベーターのランプは、階下の全てが点灯していた。
これ以外に、方法はない。全ての階で、一度状況を確認するしか、男にはセシル達の居場所は、分からない。
それが、開扉の音が鳴る以上、我が身に危険が及ぶことは必須であったとしても]
(198) 2011/12/04(Sun) 00時頃