あ────がっ?!
かっ、ひゅ、ふぁ───っ、う、ううっ?!
[しかし口内に血の味が広がり、喉に舌先の塊が転がり込んだ頃。
自分を苛みながらも最後は救いの一手となろうとしていた刃が引き抜かれ、代わりに入り込んだ相手の手に堪らず呻く。
ズルリ、柔らかな舌の塊が引きずり出されれば途端に入り込んだ酸素に喉がなる。
しかし直ぐに多量の血液が喉を塞げば、多少は飲み込んだもののゲホゲホと血の塊を吐き出していた。
訳も分からず抱きしめられる。
口内も喉奥も焼けるように痛い、熱い。
なのに指先が冷たくて痺れて堪らない、それでも抱きしめられることが嫌で堪らず相手の肩を押し返し首を横に振る。
違う、そうではない、そう否定したくて唇を震わせようと、ごふりとまた血を吐き出して────そもそも舌を失い声帯を刻まれた娘では、まともに言葉を発する事はもうできなかっただろうが]
(198) 2016/02/27(Sat) 23時半頃