―夕刻・校門そば―
いー、にがにがする……
[煙草、吸いすぎたね。携帯灰皿に入らないくらいだ。
匂いも髪についてるだろうし、最悪。
シャワーを浴びないと女として死んでしまう。
先日実家に帰った時にちゃんとしたコートは取ってきて、今もそれは着込んでいるのだけど、歩きもせずに一箇所にいれば、寒くなるのは当然のこと。]
のみもの、……
[確か校門を出てすぐに、縦長い紙パックの飲み物の自販機があったはず。どこだったかなと少し探して、ようやく自販機をみつけれど、煙草ポーチしか持ってきていないあたしに、それを買う資格はなかった。
じっと自販機を見つめて、やがて落胆に肩を落とす。
通りかかったその人物が見たのはそんなあたしのしょんぼりした背中だろう。>>195
ミルクティーのパッケージには、わけわかんない象の絵柄と共に駄洒落のような名前が書かれていて、昔からこうだったなと思い出す。寒さとニコチンで頭がぼんやりしているあたしは、校門へ近づく彼女に、まだ気づいていなかった。*]
(196) 2017/02/01(Wed) 22時半頃