―間の世界(廊下→教室)・1日目17時過ぎ―
[芙蓉との邂逅>>142 >>144を終えれば。教室の机の上に置き去りにしてしまったナイフの事を思い出す。
殺された者がどうなるのかはわからず、それ以上に成田のいうことが本当なのかどうか――自分か誰かを殺した者が本当にこの空間から開放されるというのかどうか、それすらもわからなかったが。
しかし、あのナイフは持っていたほうが良さそうな気がして、一度教室へと歩いて行った。
教室に戻れば、そこには加賀宮>>126と武藤>>182と鷹谷>>191、それに今まさに戻ってきたかのような麻倉の背中>>187。
……教室の空気が、重い。
加賀宮に武藤に鷹谷、三者三様に、いつもとはまるきり違う空気の重さを感じてしまう。早瀬の表情にも若干の緊張が走る。
すっ、と空気のように自然に自分の席まで風のように歩いて、表情一つ変えずにナイフだけを入手し、自然な様子で制服の横のポケットへと滑らせ。
引き止める者がなければ、また廊下へと出ていこうとする。
麻倉と目線が合えば、彼は「伝言」>>171を伝えただろうか。
「お願い」と伝えられるなら、早瀬は「………そうか」と一言だけつぶやいて、何か言葉が届くまでは、沈黙のまま]
(196) 2015/04/03(Fri) 10時半頃