『たとえば』。
親が自己満足で子供を作った。子供は親の期待にはそぐわないかもしれないし、そうでも本人は全然幸福じゃないかもしんねえ。
行動を起こすときの俺たちは全員無責任になるしかないんだ。
親は子の生に責任を持ちきることはできねえし、そもそも持とうとしない奴だっているのも――知ってる。
…去年も今年も友達が死んだ。友達になれたかもしれない奴が死んだ。ああ、この犠牲の上で生きようとすんのは自己満足だ。
生きて償えるかどうかの保障なんかされやしねエ。罪を――
[ちら、とジェレミーの去った浴場の方向を見る]
…罪を意識しながら生きることは、死ぬよりキツい重圧かもわかんねえよ。
でもよ…ココで死ぬので償いになるつもりなら、後で死んだっていいじゃねえか。それが最善だって今決める必要なんかあるかよ。
――逃避じゃねえか!
ガキどもの親にアタマを下げるさ。そん時に殺されるかもしんねえな。許される事はないかもしれねえ。どうせ死んだ奴は死んだきりだもんな。懺悔室も信用しちゃないよ。
(195) 2016/02/14(Sun) 17時半頃