[頭蓋など誰が砕こうか?刃はまっすぐ下に下ろされているのではなく、口蓋垂、咽頭を通りそれから声帯に向かうために斜め手前に向かい差し込まれているのだから。
開いたまま動かぬようにしたのもそのため。
閉じてしまえば、その入り口が塞がり、とてもじゃないが男の力では丁寧に切ることは叶わぬ。]
……も、少し……!
[彼女の腕の抵抗に遭いながら>>193推し進めるのはなかなかに至難の技で、ゆっくりゆっくりと奥へ到達し……きっと、目的の声帯襞は簡単に切り裂くことができただろう。
だから、そう。慢心していたのだ。
まさか彼女がその先の死を望んでいたなどと、あの抵抗から察するに夢にも思っていなかったのだ。]
……!!
[行き先の狂い、完全に力の抜けていた刃先が……彼女の舌の根元を切り裂く。恐らく男は驚き、すぐさまそのナイフを引き抜こうとしたに違いない。…それからナイフを床に投げ捨てて。
舌の塊が彼女の喉を塞ごうと言うのなら、そこに手を突っ込んで取り除いてみせようか。舌を切ると残った部分が圧迫し窒息死するのだと誰かに聞いた覚えがある。
……嗚呼、折角美しい人形が!!窒息して顔が膨れるなど全く美しくない!!!]
(195) 2016/02/27(Sat) 23時頃