ーノスフェラトゥの館・芙蓉の個室→庭園ー
[ 右肩の、二本の傷が疼いた。
どこかに行こうと思ったはいいものの、鍵が見当たらない。そういえば貰い忘れていたな、と苦笑いを漏らす。ちょっと気持ちが先走っていたようだ。
部屋に置いていないだろうか、と見渡すと窓の向こうに、美しい庭園が見える。]
……吸血鬼の愛でる花っていうと、悪趣味なのしか思いつかないけど、そうでもなさそうかな。
[その庭園の妖精たちを知らない彼女には、少し意外にうつって……興味が湧いた。
その時、愛猫の声が入口から聞こえる。]
って。何、あんた貰っといてくれたの?あの人に敵意丸出しだった癖に。
[猫がくわえてきた鍵をもらうが、入口の鍵は内側から締めて、窓を開ける。ま、怒られたらその時はその時だ。]
いくよ、ニュイ
[そして、窓の外に身を躍らさると、真下の庭園にふわりと舞い降りた。(パーティードレスだったことに気づき、あ、しまった、なんて思ってる顔には恥じらいなんて一切なかったとかなんとか。)]
(195) 2014/11/02(Sun) 10時頃