[陽気に散歩を楽しむ2匹の猫。と、突然、前方から小さな悲鳴と、何かが石畳へぶちまけられる音が聞こえ、びくりとする。音のする方へ足を進めると、同僚生である女生徒と、見覚えのない男子生徒がぶつかった所らしい。>>184>>191]
(あ、あの子…)
[入学式の記憶が不意に思い出された。組分け帽子にスリザリンを示され、浮かない表情の少女。気分が悪いのか、大丈夫かと問うも、心ここに在らずといった状態で席へと歩んでいった。あの日から、彼女にはどうも苦手意識がついてしまったようだ。けれど、同僚生として心配でない訳がない。]
(…っ)
ニャオォン
[わざとらしい音で一鳴きし、二人の元へと走り寄る。テチテチと石畳を踏む音が廊下に木霊した。]
ゴロゴロ…
[少しだけ喉を鳴らし、同僚生へと擦り寄る。少しだけ…そう、少しだけ心配なんだ。そう自身に言い聞かせる。]
(194) 2014/08/29(Fri) 12時頃