―― 回想:文化祭の役割分担をしましょう ――
[高校最後の文化祭における我がクラスの出し物はお化け屋敷、だそうだ。
面白そうだとイロハは思った。
拍手のために打ち鳴らしていた手の片方をあげてやりたい役に立候補したのは、]
じゃああたし衣装係やりまーす。
[要は衣装係である。
母が業界ではそれなりに有名らしいファッションデザイナーということもあって、
イロハは毎年衣装絡みの役をやりたがっていた。
デザインを考え、必要な材料を集め、
時に制作に手を出しはする、が、いかんせん器用さが足りない]
ねぇアイちゃん! ならさ、衣装作るの手伝ってよ!
[内装に立候補した養は男手を御所望している。>>184
ならば、と、相原の肩をとんとんと叩いて頼み込めば、
彼女は緩やかな黒髪を揺らして頷いてくれた。
手先が器用な有望な人手ゲット、である]
(194) 2019/06/05(Wed) 19時頃