[必死に必死に築き上げたそれは、もうすでにボロボロで。
それでもまだ、わずかに形を保っていた。
しっかりと支えてくれる支柱が何本か、そこにはあったから。
だけど、今、その柱は抜き去られる。
他でもないロイエ自身の手(>>108)によって]
ロイエも……ロイエも私が嘘つきだと言うの……?
……。
…………。
ごめんなさい!!ごめんなさい!!お父様!!!
もう、もう二度と、おばけが見えるだなんて口にいたしません!!
だれにも、だれにも!!
二度と、二度と、お父様には逆らいませんから!!
だから……だから……もう、あの痛いのはやめて……もうやめて、くださいな……。
[その謝罪は、懇願は、この場にいる誰に対してのものでもなかった。
そうしてから、ぼうぜんとゆっくりと周囲を見渡してロイエから身体を離す。
ソファーの端の、端。
その角に、小さく身体を縮こまられせて震える。
狼の群れに放り込まれた、小さな小さな子羊のように]
(193) 2018/08/01(Wed) 12時頃