【人】 記者 イアン

　も、う……いいです。
　忘れます。悪い夢だったんですよ。そういうことにしましょう。

[なぜ、彼が自分にここまでしてくれるのか。
ふと頭を掠めた疑問から、何か決定的なことに気が付きそうになったが、それに蓋をする。

いいじゃないか、彼の言葉をそのまま信じてしまったほうが、どんなに都合がいいか]

　……もう、なにもしないんですものね。

[ね？と、固い顔で念押しして。
彼の気持ちなんて、なかったことにしておいた]

(191) kaisanbutu 2014/02/10(Mon) 08時半頃