【人】 記者 イアン

[>>125牢に居たときの、熱っぽく好きだと微笑む声色は頭を下げる男からは感じられず。
混乱と嫌悪でどくどくと激しく鳴っていた心臓が、明朗な口調に宥められ少しずつ落ち着いてくる。

彼も正気ではなかったのだと、あれは牢獄内でだけのことだと、その主張に、事実がどうであれ心は安堵して、楽な方向へ流れそうになる。
それを決定付けたのは、自分が一人ではここを出られないと、そう口にされた時だった]

　………。

[彼への過剰な期待と要求は、裏を返せば自らがそれを成せないから。
見透かされたような言葉に、感情的になっていた頭がさめて

多大なる打算と一握りの敬意から、小さくすみませんと呟いた]

(190) kaisanbutu 2014/02/10(Mon) 08時半頃