―→集会所―
[集会所までの道行きの合間、通りで見掛けるのはひそひそと声を潜める島民達とさも自分は巻き込まれただけだという顔をした観光客の面々。殆どが数人の集まりなのは、孤立するのを恐れているのかも知れない。
その中を、ただひたすら目的地に向かって足を進めた。
一刻も早く友人の無実を証明しなければ今日にも彼が殺されてしまうのではないかという不安が、一層歩調を速めさせた。
集会所へ近付くと、一人の男>>167とすれ違った。自分とそう変わらない身長と華やかな顔立ち、右耳のピアスが印象的だった。
反射的に軽く頭を下げた後入れ違いで集会所へ入るとその場の視線が此方に集まる。
まずは、と昨夜の見張りの結果グレッグが外へ出なかった事を告げた。
少し迷いはしたが、ソフィアが昨晩グレッグの家に泊まった事も合わせて報告すれば、対面の古老達と中に居た者達――確か自警団のメンバー、だっただろうか――がどよめく。
グレッグよりもソフィアの名前に対しての反応に戸惑いが隠せずに不思議そうに首を傾げていると、その場の数人が昨夜の犠牲者の話と共に『今日』の容疑者の話を教えられた]
(190) 2013/09/08(Sun) 22時半頃