― ジッド周辺 ―[曾祖母の血に繋がる一族が、不幸な事故で世継ぎを喪い家系断絶の危機に陥っている。 遠方の血縁をしらみつぶしに探した結果、ファルケンに生まれた自分を見つけ白羽の矢が立った―――概ね、手紙の内容はそんなものだった。 遠い国から分厚い手紙を寄越したことや、是非にと繰り返す必死の願いに心揺さぶられないといえば嘘になる。 けれど、それはわが身に引きつけた感情よりも、どこか遠いもの。 血縁の自覚は薄いものの、顔も知らぬ一族に深く同情は抱くのだが……]
(188) 2013/01/16(Wed) 13時頃