[ 差し出された手を先日のようにジッと見る。
変わった人だ、苦手なはずなのに何故手を?
あの頃のように、すぐに手をとることは出来なかった。
手を見つめたままでセシルの言葉に答える。]
例え身内に対してでも秘密くらい、あるわ
・・・ひとりでいいもの
[ 思いの外暗い色になってしまった声。
自分の感情を混ぜてしまった事に気づいて、オーレリアは視線を丸太の上の花冠へと逸らした。
ふと、湧いた疑問。
その場所に花冠がある理由。
眩む視界に塗りつぶされた。]
・・・ここに来られてよかった
[ しばらく景色を眺めて思考を沈めていたが、
まだセシルは手を差し出していただろうか。差し出していたならばその無表情ではなく、面影を残す顔にまたも物悲しくなりながらその手を取り、倒れないようにゆっくり立ち上がる]
(187) 2016/08/01(Mon) 18時頃