誰を襲うことも、厭わない。
……そして、この症状は、強い感染性を持つ。
[角の先、外へと繋がる道筋には、多数の死者が歩んでいた。
死者。そうとは割り切れない思いはあれど、他に的確な表現が見つからない。
血肉を求めているだろう盲者達の中には、男も知る生徒達の姿も見受けられる]
か、感染経路は、血液・体液感染、で、しょうか……。
感染性は極めて強、く……そ、その症状に、は、速効性が……。
[嗚咽交じりの言葉を、言い切ることはできなかった。
傍らには、重症のまま立ち上がったザック――――いや、かつてのザックであったものの姿が]
許して、ください。
あの時>>170俺が、止められていれ、ば……。
[両の目から、とめどなく涙があふれる。
零れる水滴を拭うことなく。
男は、つい先ほどまで語りあっていた相手。守るべき教え子に向けて、強靭な両腕を伸ばした]
(187) 2011/12/02(Fri) 03時頃