──ラルフの部屋──
[ まだ肩は痛む。五月雨に止められても、強引についていっただろう。]
ラルフはいますか!?
[ 部屋がわかると、五月雨を追い越して扉をノックした。焦りから強く叩いた音は、今のラルフを怯えさせただろうか。
扉が開くと、困ったように立つべネットの顔が見える>>183。]
どいてください! ラルフ、大丈夫かっ……?
[ べネットの様子に気づかず押し退け、ラルフのそばまでずんずんと進んだ。
ラルフが襲われた、とだけ聞いた亀吉は、見た目は無傷の状態に疑問符が浮かんだ。無傷で襲われたという表現を使うなら強姦が浮かぶが、ラルフほどの手練れとはイメージが結びつかない。直円はこちらにいたのだから、他にラルフを好きにできるような者がいたことは考えにくかった。
しかし、憔悴したその様は初めて見た。何事かがあったのは確かだ。隣は治療する五月雨に譲るために数歩離れた。]
(186) 2016/06/12(Sun) 13時頃