[そんな風に繰り返して、何度目だっただろう。
ふいに、那由多に名を呼ばれて、振り返る。>>174]
……なんで?
楽しかったよ。すっごく、楽しかった。
[唐突とも思える問いかけに、ぽかんとした後、迷いのない口調で答える。
まさか、楽しくなさそうに見えてでもいたのだろうか、と思ってちょっぴりショックな気持ちになる。
あの日の秋野は、傍目にもはっきり分かるほどはしゃいでいて、いつもの2倍ぐらいは食べていたはずなのだけど。]
フランクフルト食べたし、わたがし食べたし。
それから、えーっと。あ、健五郎に焼きそば一口もらった。
風ちゃんが飲んでたタピオカジュースもちょっともらったよ。
揚げアイスとクレープも食べたかったけど、それは食べきれなかった。
あとは、あとはー……
[忘れちゃったのかな、那由多。
そう思って、真剣な顔つきで、ひとつふたつと自分が食べたものを列挙していく。
那由多に止められなければ、食べたかったものも含めてまだまだ話し続けるつもりだけど、ストップがかかってしまっただろうか。]
(186) 2015/06/23(Tue) 01時頃