[自分とそう年も変わらぬ娘が居るならば自分の悲嘆も理解できるかもしれぬ。
否、矢張り理解できないだろう。人を、女を人形と見下すような男では。
娘をいくら可愛がっていても、きっと籠の鳥にしてしまう人種なのだろう。
────それでも娘が想像を巡らせる事が出来るのはそれまでだ。
まさか、籠の鳥どころか窓辺の人形にされているとは思いもしない。
あゝそれでも生きているならばマシなものを。
しかし病について問われればつい口にしてしまうのは、それが自分にとっての理由であり言い分だからだ。
これさえ無ければ、自分は────]
天刑病、または癩病と言いますの。
遺伝病と言われております、人に移る事は無けれど子孫に病を残さぬ為に子を成す事を禁じられますわ。
……兄がそれに罹り皮膚を歪めましたわ。
私も、いつか────けど特効薬があれば……。
(186) 2016/02/27(Sat) 20時半頃